2019年1月~6月の演奏会に戻る

  


    「日本の作曲家2019第1夜-JFCニューカマーズ」に参加して
                                                大木嵩雄
      この度、このような意欲的な演奏会に参加させて頂けたことに、まず感謝いたします。普段の音楽活動
     している分野が違うこともあり、きっと私の作品はさぞかし(悪い意味で)浮くのだろうと思っていまし
     たが、蓋を開けてみれば多種多様な作品が揃っており、そのような不安は杞憂に終わったのでした。この
     ような印象的で多様な(かつ纏まりがないわけでもない)演奏会プログラムになったのも、川島素晴氏の
     巧みな人選によるものであると思うと、本当に頭があがりません。

      今回特に印象に残ったのは、フィボナッチ数列から着想を得たという高橋未央氏の作品でした。実際の
     演奏に触れる前、プログラムノートを拝見した時には、もっと幻覚で、数列に支配されたような音楽をお
     書きになったのかと思っていましたが、実際の演奏に触れてみると、数列の気配は感じるものの、それ以
     上に、もっとシンプルに音楽的な喜びを感じる作品でした。私は今回「Phantom」などという数列とは対
     極にいる実証されていないものを扱ってしまうほどであるし、数式などは興味のかけらもないのだが、そ
     の私が、数式から着想を得た作品に触れた時、そこに興味を持ったことに何よりも驚き、感動いたしまし
     た。

      また横田直行氏の作品では、私と近い印象のテーマを扱っておられ、大変親近感を覚えました。横田氏
     がインスピレーションを受けたという絵画にも、今度折を見て触れてみたいと思います。

      そして今回、最後に演奏された川島素晴氏による編曲の「アトールⅡ」には大変感銘を受けました。こ
     の作品がまるで、この編成で作曲されたかのような見事な編曲で、一音一音に音の豊かさを感じました。
     あまり現代音楽に触れる機会のない聴衆の方も「最後の曲は本当に見事だった」と仰っており、今回のこ
     の演奏会で、もっと現代音楽が上演される機会が増えて、広く紹介されるといいなと感じました。

      最後になりましたが、この度、素晴らしい演奏をして下さった板倉康明氏と、現代奏造Tokyoの皆さんに
     感謝申し上げます。

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