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   第23回アンデパンダンに参加して
                           古曽志洋子

    そろそろJFCを辞めてもいいかなと考え始めていた矢先、第23
   回アンデパンダン参加のお誘いが届いた。その時ちょうど、初演
   した
ばかりの気に入った歌曲があった。25年ほど前から始めた教
   え子達との多くの音楽活動。私の作品のほとんどがその活動の中
   で生まれ、育まれてきた。アンデパンダンへの参加は3回目にな
   るが、今を生きる作曲家の作品と肩を並べて参加するにはかなりの勇気が必要であ
った。自分で企画したコンサー
   トの当日は限りなく忙しいのに比べ、なにもすることがないだけに緊張ばかりが高まり、何だか落ち着かない。
   「豊洲ってどこ?」と言うくらい知らなかった豊洲シビックセンターホール。幸い予報をはずれて陽が顔を出し、
   爽やかに晴れてきた。リハーサルはごくスムーズに進み、ホールから遠く離れた楽屋では、リハーサルを終えて一
   息ついた演奏家達が共通の話題でかなり盛り上がっていた。7,80名ほどのお客様を迎え、舞台後ろが開け放たれ美
   しい夜景に、真っ赤なドレスのヴァイオリニストがソロ作品を弾き始める。私が育った1970年代は、超現代的な試
   みがなされていた時代。調性音楽しか書いたことのない私には「ひとり子供っぽい作品ではないか」とひどく心細
   かった。が驚いたことに、思ったよりクラシックで美しく、耳に優しい作品が多かった。夜景の広がりと良い響き
   の中で、新鮮な音楽に接した一般のお客様も満足そうに笑顔で帰って行かれた。終演後のロビーでお客様にご自殺
   する作曲家の皆さん。あちこちから「私は、ああいう曲しか書けないんだよ」と言う声が聞こえてくる。みんな同
   じ想い。そしてその時「私は、私にしか書けない音楽を書いているんだ」と思い直し、何か温かい気持ちになった
   一夜であった。

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