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「日本の作曲家2021 "Phidias Trio +αを迎えて~トリオを巡る音風景”」に参加して
                                  松岡みち子

 日本の作曲家2021 ”Phidias Trio+αを迎えて~トリオを巡る音風景"に参加させていただきました。
 神本真理   さんの名プロデュース、Phidias Trioの川村恵里佳さん(Pf)、松岡麻衣子さん(Vn)、岩瀬龍太さん(Cl)、そして北嶋愛季さん(Vc)、梶原一紘さん(Fl)の息のあった、極めて高水準の演奏に支えられて、稀に見る充実したコンサートを実現できたことに感謝します。
 新しい芸術の創造に前向きに真摯に取り組んでくださる演奏家の存在は、作曲家にとって何より心強く嬉しいことでした。
 コロナ禍の影響で昨年からの延期公演となりました。作曲家も演奏家も、「何のために音楽するのか?」と自らに問う一年だったと思います。
 そしてやっと迎えた本番。生の音がホールに響き渡り、聴衆に自分たちの音楽を伝えることの喜び、感動を共有できる幸せに心が震えました。演奏者と作曲家と聴衆が心を一つにして作り上げていくコンサートの醍醐味味わいました。
 小林由直氏、今村央子氏、山本準氏、見澤ゆかり氏、森山智宏氏、二宮毅氏、安良岡章夫氏、松岡みち子の各作品は個性も書法も様々で、実に変化に富んだプログラムとなりました。聴きごたえのある力作揃いだったと思います。
 演奏家のチームワークの良さが気持ちの良い音空間を作り出し、そして私たち作曲家もこの幸せな時間を一緒に作り上げたという一体感を感じ、終演後も作曲家が何となくホールの片隅に集まり、去りがたい思いでした。
 感染拡大で地方在住の作曲家にとってはリハーサルが課題でした。オンライン会議システムと外付けマイクで対応しようと試みましたが音がブツブツ切れ繊細な表現や音色を伝えるのは無理なことがわかりました。良い録音機材をお持ちの演奏者のご好意で、リハーサルの録音データを送ってもらう方法で、何とか乗り越えることができました。
 緊急事態宣言発令の中、開催に尽力くださいましたJFC事務局の皆様に御礼申し上げます。  


                                  
               
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