ヴァイオリン/ヴィオラ曲 全30曲 初演&収録大会に戻る

 

 

 

作曲家略歴&作品解説

第1部

持麾 勉

1999年東京音楽大学作曲専攻卒業。2001年東京音楽大学大学院作曲専攻修了。有馬礼子、北爪道夫の各氏に師事。2004~6年青年海外協力隊隊員として、南米のパラグアイ共和国に派遣される。現地の青少年オーケストラを指揮指導し、演奏発表等を行う。2025年作詞作曲の「サボテンのうた」が、第2回パープルリボン作曲賞を受賞。JASRAC会員。

 

ヴィオラ、もしくはヴィオラ

ヴァイオリンの夢破れて、ヴィオラに転向;そんな話を耳にする。ヴィオラでも演奏可能な、第3ヴァイオリンパート;そんなスコアを目にしたこともある。ならばと最初から存分にヴィオラかつ、独奏ならではの饒舌な作品を目論んだ。また、ダンス教師が手持ちの弦楽器で演奏しながら、踏んで示すステップを自ら楽しんでいるイメージも託した。


吉田 卓矢
福島県出身。作曲家・シンセサイザー奏者。東京学芸大学大学院教育学研究科音楽コース終了。作曲を嶋津武仁、山内雅弘の各氏に、指揮法を本多優之氏に師事。生楽器と電子音響のアンサンブルに関心を持っており、現在は東京藝術大学大学院修士課程(音楽音響創造)に在籍。日本電子音楽協会、先端芸術音楽創作学会会員。


がささ
本作は、ヴァイオリンの基礎練習に見られる移弦による5度のパターンを出発点とし、反復される動きが強い圧力によってエフェクトのように「変調」されながら発展していく作品である。均質な運動の中に生じる音色の揺らぎやノイズ、倍音の変化を通して、単純な身体動作から複雑な音響が生まれる過程を探っている。

喜納 政一郎

京都市生まれ。和声学、対位法を嵐野英彦に、作曲法、オーケストレーションを福島雄次郎氏に学ぶ。

作品:「樹の息吹」―Vlaソロ、(NHKで放送)・クロノーⅡ, Mar.Fl.Cb、「樹 映」―2Fl,2Afl、「湧水の樹」弦楽四重奏、「そよぐ樹」Vla、Mar。以上JFC出版楽譜。「響息の樹」―2管編成オケ、「Chorono-Ⅲ」―室内オケ、「星振る夜に耳をすませば」リトアニア交流演奏会。「スフィンクスの吐息」―日本作曲家2025,「夢みたものは」「妻よ子よ」混声合唱曲。



Viraの響

ビオラは、大好きな楽器です。最初の作品が「樹の息吹」です。

作曲グループ「樹」で中山良夫さんの演奏で発表したのが、NHKの眼に止まり、現代の音楽で放送されました。その後ベルリンに在住の二反田さんが、現地で演奏して頂きました。またフィリピンのアジア音楽祭でも演奏して頂きました。おまけにニュージーランド国立国会図書館に蔵書されビックリしました。今回は、重音を多く使い楽器が響く様に考えました。それと、演奏者の名前に知り合いがあったので作曲頑張りました。


今村 俊博

作曲家・パフォーマー。

1990年大阪府生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科修了。作曲を井上昌彦、川島素晴、古川聖の各氏に師事。第6回JFC作曲賞入選。池田萠との「いまいけぷろじぇくと」ほか、藤元高輝とのパフォーマンステデュオ「s.b.r.」メンバー。「数える/差異/身体」をテー

マに創作活動を展開。一般社団法人日本作曲家協議会会員。



「RTA」のためのエチュードNo.1

本作は、「正しく繰り返すことはできない」という認識のもとに今村が創作を行っている、「数える人」や「描く人」などのシリーズとつながる作品である。演奏者は与えられた条件内で「RTA」を試みることになる。「RTA」とは「リアルタイムアタック(Real Time Attack)」の略。一般的にはスタートからクリアまでの実時間を競い、最速でのクリアを目指すことを指すゲーム用語として用いられる。なお、本作は「RTA」を実現するためのエチュードのひとつであり、実際の演奏結果が示すものは「演奏終了までの最短時間」を競う「RTA」ではなく、「限られた時間内で演奏終了を試みること」である。その意味で本作だけをみるとタイトルに矛盾が生じている。


杉本 能

静岡県島田市出身。国立音楽大学大学院音楽研究科修士課程作曲専攻を首席で修了。現在、同博士後期課程に在学中。サントリーホールサマーフェスティバル2024作曲ワークショップ(テーマ作曲家:フィリップ・マヌリ)公募採択など。作曲を塚本一実、田村修平、伊藤康英、森広樹、川島素晴、桑原ゆう、今村央子の各氏に師事。



パウル・クレー「ペダゴジカル・スケッチブック」による習作Ⅳ『The Arrow』

《「蜜の筆跡」(流れるような線)〜弦楽四重奏のための(パウル・クレー「造形的形成論」補遺より)》の編成と演奏時間を1/4にし、再構成したもの。抽象的な線を、何か具体的なイメージに連関させることはせず、線それ自体に着目。線は楽音やノイズ、幅や時間など、さまざまにパラメータを移ろわせ、流麗に蠢く。


第2部

古澤 勇輔
1995年、福岡県生まれ。東京音楽大学作曲指揮専攻作曲「芸術音楽コース」を経て、同大学院修士課程作曲指揮専攻作曲研究領域を修了。これまでに作曲を河野敦朗、原田敬子、川島素晴、細川俊夫、土屋雄の各氏に、エレクトロニクスを有馬純寿氏に師事。


重心と呼吸に導かれて...
出来事の速度と持続は、二つの拮抗する現象の副産物である。重心を前へ押し出そうとする呼吸の推進力と、それに即応せず内面化された筋肉的抵抗。両者のせめぎ合いが運動の持続を決め、鳴り響く音はそこから副次的に生じる。ここで時間は与えられた枠ではなく、推進と抵抗の緊張からそのつど立ち上がる。

小林 由直

作品はヨーロッパなど海外でも演奏され、多くの作品がトレケル社(ドイツ・ハンブルク)より出版されている。内科医でもあり、健康医学と音楽の両立を目指している。日本作曲家協議会の主催する「日本の作曲家2025」等で作品を発表。ピアノを針谷宏弥、作曲を田中照通に師事。三重大学保健管理センター教授。医学博士。

 


アリオーソとヴィーヴォ~ヴィオラ独奏のための~
前半では、憂いを帯びた旋律がウエットな情感を持って歌われます。これに対し後半ではリズミカルな下降音型が乾いた音色で歯切れよく奏され、その間には幅広く躍動する音やのびやかに歌われる旋律などが挿入されています。短い作品の中に、深く温かみのある音色や表現の多彩さなどヴィオラの持つ魅力を織り込んでみました。

大堀 由美子
桐朋学園大学、モーツァルテウム音楽院を卒業。京都国際音楽学生フェスティバル、ニーダーザクセンカンマーアカデミー、ローザンヌ音楽アカデミー、マウリッツィオ・カーゲル現代音楽フェスティバルに参加。作曲、編曲、朗読も行い、横浜市泉区、戸塚区にて大堀ヴァイオリン教室を主宰している。


バイオリンのためのエチュード

バイオリン弾きは、様々なエチュードを通し、動きの型を体得していきます。譜は動きの指示書でもあります。つらつらと出てくる型を聞き、譜にしていきました。弾くからだを待っているバイオリン 

この曲を弾くことで、「バイオリンが喜んでくれるといいな。」と、思います。


鈴木 豊乃

国立音楽大学大学院修了。日本作曲家協議会会員。アーティストへ の楽曲提供や編曲を数多く手がける傍ら、ピアノやヴァイオリン楽 譜、音楽書籍など60冊以上出版。いずれも増刷を重ね人気を博し ている。時代やジャンルを問わない柔軟な視点で多岐にわたる音楽 制作に意欲的に取り組んでいる。 


ニライカナイ
「ニライカナイ」 沖縄や南西諸島に伝わる、魂の故郷「ニライカナイ」。 本作はその世界を三つの情景で描きました。 深い海底に響く「祈り」をヴィオラの低音で重厚に表現 し、光あふれる「楽園」、静寂への「回帰」へと繋げます。 生と死が巡る聖域の包容力をヴィオラならではの多彩な音 色に託しました。

瀧沼 亮

水野修孝に師事。水野修孝作曲《交響曲第6番》委嘱、會田瑞樹作曲《北原白秋のまざあ・ぐうす》出演、《チャージマン研!音楽祭》アートディレクター、小林沙羅と共演、藤岡幸夫指揮CD装丁などをした。代表作は交響曲6曲、ピアノソナタ、弦楽四重奏曲、協奏曲、前奏曲、コンサートのためのコンクレートなど多数ある。

 


コンサートのためのエンダー・ザ・ミュージック

師・水野修孝の教え『鮮度の良い閃きで作りなさい。発酵させたら腐ります。』通りに、スリーシェルズが発売する《篠原眞~私の歴史的録音~》《水野修孝電子音楽全集》のCD装丁の合間に一息で作曲した。音符の読み書きを覚えた20歳の時に、書き留めた交響曲第1番に登場する男の主題の変容でもある。名演を期待します。


第3部

増井 哲太郎
桐朋学園大学音楽学部作曲専攻を卒業後、同大学研究科を修了。これまでに作曲を香月修、鈴木輝昭の両氏に師事。合唱作品が好評を博し、楽譜とCDがカワイ出版、ジョバンニレコードより発売さた。器楽作品については東京・春・音楽祭や調布国際音楽祭で作品が演奏され好評を得た。洗足学園音楽大学で後進の指導にあたっている。日本作曲家協議会会員。

スカイフィッシュすなどり
スカイフィッシュという未確認生物がいる。ジョジョの奇妙な冒険では熱を食べている生き物として描かれた。私もスカイフィッシュについて空想する。音を食べていたら面白いなと思った。今回の作品はサイレンホイッスル、コールベル、びっくりチキン、もちろんヴァイオリンの音、これらでスカイフィッシュをおびき寄せ漁って(すなどって)しまおうという曲です。

小坂 咲子
東京藝術大学及び大学院修士・博士課程修了。アルヴァレズコンクール優勝、香港ハーモニカコンクール、ISCM、ACL入野記念賞等入選。作風は雅楽や戸外音に含まれる多種の破擦音と明瞭に聴き取ることの限界である特殊奏法を織り交ぜた書法によっている。作品はブランデンブルク交響楽団、バーゼル室内管弦楽団等演奏。


絵様紙~独奏ヴァイオリンのための~

表題は“装飾された紙”を意味する。何も描かれていない紙に、点や曲線や垂線や絵取りが広がり、何らかのメッセージになっていく。しかしそれはメッセージなのではない。無意識に望んでいるものの表出に小さな驚きを得、その驚きは何であるのかをさらに追い求めようとする接穂(つぎほ)のような感覚が生み出された瞬間である。


松井 琉成

国立音楽大学作曲専修卒業。日本作曲家協議会会員。2023年に『交響詩《うつしがたり〈翠〉》』でNEW CLASSIC PROJECT作曲賞受賞。ほかに、福岡ジルベスターコンサート2024(『fanfare FUKUOKA』)なども手掛けている。現在はInstagram・YouTubeオトノイロドリで楽曲発信を続けながら作曲家として各方面からの委嘱を受け、創作活動を行っている。


氷上の軌跡と残光

今季引退した世界的に有名な坂本花織選手をイメージし、その歩みとスケートの演技を重ね合わせて創作した。


三澤 ゆかり

群馬県富岡市出身。作曲家、浄土宗僧侶、篳篥奏者、パフォーマー。国立音楽大学音楽文化デザイン学科創作専修(作曲)首席卒業(2012)。大正大学仏教学部仏教学科浄土学卒業(2014)。Hochschule fürMusik Cal Maria von Weber Dresdenにて修士取得(2017)。菊池幸雄、川島素晴、Prof. Mark Andre、Prof. Franz-Martin Olbrisch各氏に師事。The 7thInternational JOSEPH JOACHIM Chamber MusicCompetition (Weimar)3位。第32回現音新人賞冨樫賞、聴衆賞受賞。現在特定非営利活動法人Con-Tra Culture代表理事として地方への現代音楽と伝統音楽の普及を尽力している。


ただ一向に・・・すべし


西森 太一

高知県出身。高知大学人文学部卒業。IT業界に従事。作曲とピアノを主に独学。2021年から2026年現在、東京音楽大学にて指揮研修講座研修生。三河正典、他各氏に師事。2024年「ピアノ曲全40曲 初演&収録大会」川島素晴賞受賞。

auf Vier 

演奏者が限られた技術制約の中でどれだけ実際に音楽を演奏できるかを試す作品。4の数字を元に、セクションについては4つに分かれている。当作品における技術を得るための参考練習曲も附録。


第4部

伊藤 謙一郎

尚美学園短期大学音楽学科ピアノ専攻卒業、国立音楽大学作曲学科首席卒業(有馬賞受賞)。韓国・ソウル大学校音楽大学大学院作曲科修了。作曲をトーマス・マイヤー=フィービッヒ、大村哲弥、姜碩熙の各氏に師事。第1回東京国際室内楽作曲コンクール第3位入賞、第13回現音作曲新人賞入選。東京工科大学メディア学部教授。


プルギルーヴィオラ独奏のためのー

《プルギル》は韓国語で「火の通り道」「炎」を意味し、比喩的に「燃え上がる情熱」を表す言葉です。それらの様相を描写した曲ではありませんが、作曲の過程で顕れた音の形象と、その変わりゆくさまの象徴として題名にしました。半音進行と大きな跳躍を伴う音

型による息の長い歌をヴィオラが紡いでいきます。


中本 芽久美

大阪出身。和声、対位法、作曲を尾高惇忠氏に、桐朋学園大学、同大学研究科にて、作曲を安良岡章夫、ピアノをローラン・テシュネ、藤井一興の各氏に師事。エコールノルマル音楽院にて高等ディプロムを取得したのち、京都市立芸大、大阪芸大、京都堀川音楽高

校にて非常勤講師。京都在住。



はかなさの連鎖 ヴィオラのための

冒頭、心臓の鼓動のようなリズムが、ハーモニクスの微かで静的な音と交錯。次第に舞曲的な拍子を獲得して、反復進行(ゼクエンツ)のつらなりに入っていきます。曲は感情的な局面に入りますが、音楽は風にさらわれるように彼方に消えて行ってしまいます。個人的な事ですが、この曲を昨年他界した母に。


小野寺 雅

沖縄県立芸術大学音楽学部卒業。同大学院作曲専修修了。近年は琉球古典音楽の作曲技法を解明するための研究を行っており、複数の論文を発表している。今までに作曲を石川浩、福富秀夫の各氏に師事。 日本作曲家協議会、日本音楽学会、及び東洋音楽学会正会員。沖縄県立芸術大学非常勤講師。



うしおーらしぇーを観る人々

うしおーらしぇーとは、牛同士の相撲のような興行(闘牛)であり沖縄県を中心に愛好されています。観光に訪れる方も多いのですが、何故か観客の中には観戦に命を懸けているような、異様な熱気を持つ方々がいる事があります。彼らは何者でしょうか?そのような熱気を持つ方々を、コミカルに描写した作品となります。


永野 聡

上智大学・大阪芸術大学卒、工学修士。作曲を小崎光洋氏に師事、また大阪芸術大学において研鑽を積み、現在は室内楽を中心に活動中。国際芸術連盟、日本作曲家協議会各会員。受賞歴:第20回TIAA全日本作曲コンクール審査員賞、JFC”ピアノ曲全40曲初演&収録大会”等。主要作品:Fl、Vc、Pfのための”Woomera”、Tr、Pfのための”Ricercare”、ピアノ曲集”Préludes”、連作歌曲「なのりそ」「雪の狐獵」等。



うたたねに

本作は、二部形式を2回繰り返す構成である。第1主題は、無調的なモノクロームから色彩感のメロディへの色調変化を、第2主題は人声による音色シンセサイザー「人声サイザー」と擦奏位置の変化による音色変化とをシンクロした音色変化を意図している。両者を対立させることで新たな表現を試みた。題名は古今和歌集収載の小野小町の和歌より。


山本 哲也

作曲/指揮。リール地方音楽院DEM課程指揮科、モンス王立音楽院指揮科修士課程修了。第7回JFC作曲賞「自作自演による作曲賞」に入選、本選演奏会でのスライドホイッスルの演奏がバンドジャーナル誌で評価された。国立音大非常勤講師、現代音楽演奏団体「アンサンブル・リカレンス」の音楽監督/指揮者を務めている。

 


眠るヴァージナル

楽器の駒を擦るノイズを穏やかに眠る寝息に見立て、そこに駒寄りの位置を弓奏することで得られる金属質な音色のメロディー、最高音域によるトレモロといった楽想を加え、それらを自由に行き来することで音楽を構成した。作曲当時によく聴いていた古楽器ヴァージナルの繊細な音楽もまた、曲の成り立ちに大きく寄与した。


第5部

安藤 直弥
作曲家・ピアニスト。国立音楽大学鍵盤楽器専修(ピアノ)を卒業後、同大学院修士課程作曲専攻(作品創作)を修了。演奏・創作の両面からプリペアド・ピアノに取り組んでおり、2025年11月末にKアリーナで行われた角野隼斗ピアノ・リサイタルにおいて、プリパレーションを担当した。2025年12月には「The Shakuhachi 5」により、『尺八五重奏曲:吟風弄月』が初演された。

三文小説
この作品は当日に配布する小説を読みながら演奏を聴く事を想定している。音を発するまでの行為、演奏、楽器を片付けるまでの行為を三つの楽章とし、完全に演奏を終了するまで作品の中で意味を成すものとなっている。一連の演奏を通して織り込んでいるメッセージは”自然界の法則とエゴイズム”である。詳細な解説は小説のあとがきとして記した。

浅野 藤也

作曲を故浦田健次郎、ピアノを故庄子みどりの各氏に師事。2006年第17回奏楽堂日本歌曲コンクール作曲部門入選、2008年第12回日本の音楽展•作曲賞入選、2009年第14回東京国際室内楽作曲コンクール第3位。2012年東アジアの現代音楽祭inヒロシマ、2014年東アジア音楽祭inヒロシマに参加。

 


独奏ヴィオラのための音楽

ヴィオラは以前から弦楽器の中でも特に魅力を感じており、ヴィオラの特性を活かしながら、繊細で秘めた感情を表すような音楽を書いてみたいと思い、作曲を試みた。


上野 圭一
埼玉県出身。IT企業に従事しつつ、そこで感じる事や現代社会の負の側面を表現する。明治学院大学法学部および国立音楽大学作曲専攻卒業。

送致四十八
時間は往々にして、物事の終わりに近づくほど、その経過が早く感じられるものである。心底つまらない仕事をしている時、最初の1時間は無限に続くとも感じられるが、最後の1時間はなぜか経つのが早い。その主観的な時間の経過を、感覚的ではなく、視覚的・直線的に48小節間で表した。

海老原 太

ジュネーヴ音楽院修了。在学中は現代音楽の創作と並行して、古楽科にて特に中世からバロック期にかけての音楽理論を学ぶ。近年は、写真家との共同制作及び、アートギャラリーなど展示スペースを利用した演奏会の定期的な開催を活動の中心としている。

 


恍惚のなかに映るもの(ヴィオラのための)
このところ、遠い文化圏(例えば、中近東地域など)の古典音楽を好んで聴くようになったのだが、特に弦楽器の独奏では深い精神世界への没入感に強く惹かれるものがある。様式からの影響というよりは、その神秘主義的な世界観への憧れが反映された作品となると良いと思っている。

松尾 賢志郎
代表作に「明日の神話」(ティーダ出版)「望郷の記」など。#1日1曲毎日作曲チャレンジ 3000日達成。

溶ける。

J.S.バッハ 無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番 ガヴォットを基盤に、音圧、音程、リズム、グリッサンドによる4つの要素で「溶ける」を表現した。


第6部

山本 準

ピアノを飯田喬子、作曲を野田暉行に師事。テルミン奏者三毛子の伴奏者として活動中。2016年に「戦争が廊下の奥に立ってゐた」が曽我部清典氏(Trp)により初演。2023年「ディナミカ・インプルシヴァ~オーケストラのための」初演、2024年第12回JFC作曲賞コンクールにて入選。日本作曲家協議会会員、日本音楽作家団体協議会監事。



エア・エ・ダンス~ヴィオラ独奏のための
二短調の「歌」であるAir (Andante moderato cantabile) の部分とE音を基礎とする「踊り」であるDanse (Energico) との二部分からなる。前半と後半は、ピチカート、完全5度のダブルストップ、アルペジオを用いた推移部でつながれている。「歌」は基本的に単旋律であるが、背景にある和音を感じていただけたらと考えながら作曲した。

道野 晃平



糸化のスケッチ-写真の点から-



壷井 一歩
東京音楽大学作曲専攻卒業。2003年度武満徹作曲賞第4位、第14回芥川作曲賞ノミネート、第2回大阪国際マンドリンコンクール作曲部門1位、第20回奏楽堂日本歌曲コンクール作曲部門1位、第2回「山響作曲賞21」受賞ほか。出版楽譜多数。著書に『心に響く「短調クラシック」入門』(廣済堂出版)がある。


ヤドカリトッキ
「ヤドカリトッキ」は、レオ・レオニ「平行植物」に登場する架空の植物の一種。熱帯の枯木の幹や枝にいて群れを作る。群れは各個体が数cm間隔で一直線上に並び、ひとつの群れの個体数は必ず奇数である。かつ真ん中の個体の背が一番高いため、群れはシンメトリカルになる。
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古永家 健太

東京⾳楽⼤学卒業。同⼤学院修⼠課程修了。作品に《Retrograde》(Fl.)、《渓流 ―その分岐と合流―》(Pf.)、《《静寂》―チュルリョーニスの絵画によせて―》(Pf.)(⽇本作曲家協議会委嘱)等がある。作曲を糀場富美⼦⽒に師事。⽇本作曲家協議会、⽇本ソルフェージュ研究協議会各会員。

 


近影-無伴奏ヴァイオリンのためのー
⾃分というただ⼀つの存在と向き合い、その内奥への理解を深めるために何ができるのだろうか。そのように⾃問するとき、⾃分⾃⾝を表現した作品を創作すること、それが⾃分なりに導いた答えだった。内なる声はヴァイオリンの⾳⾊で語っていた。作品が完成したとき、少しだけ⾃分が近い存在になっていた。
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山内 杜真


澱の中から


 

 

 

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