会長メッセージ

     ©AkiraKinoshita


 

新年のご挨拶

 

菅野由弘

 

 明けましておめでとうございます。

 

 2024年の幕開けは、めでたいのか、めでたくないのか。

 コロナが終息に向かうかと思いきや、各地の異常気象、ロシアのウクライナ侵攻、イスラエルのパレスチナ侵攻と続き、人類そのものの生存が危ういとも思える混迷の年明けとなってしまいました。疫病や地球温暖化による異常気象などは、人類が一丸となって立ち向かわなければならない課題なはずで、戦争などしている場合ではないのですが、一部の為政者の驕りでこの様な状況に陥っています。ウクライナ人もロシア人も、パレスチナ人もユダヤ人も、侵略する側もされる側も、それぞれの国民は皆、犠牲者です。これを、誰も止められないことに忸怩たる思いがありますが、どうしようもありません。少なくとも私たちには。

 

 こんな時に、音楽は何かできるのか、何かの役に立てるのか、役に立たないからこその音楽なのか、サッパリ分かりません。更に突き詰めると、音楽に意味が有るのか無いのか、となってしまいます。しかし、意味が有っても無くても「音楽」を創りたいと思う我々ですので、「何のお役にも立たない音楽」に邁進するしかありません。めでたかろうが、めでたくなかろうがお正月、お役に立とうが、立つまいが音楽。心のどこかで平和を願い、人類の存続と尊厳を守りたいと願いつつ、活動を続けて行きたいと思います。

 

 今年度は、年度末に(2025年になってしまいますが)23日〜7日までの予定で「アジア音楽祭」を行います。コロナ禍で、2022年に行った「アジア音楽祭」のプレ音楽祭は、アジア各国の作品は来たものの、作曲家は誰も来日できない状況でせざるを得ませんでした。が、今年度は、アジア14カ国から作曲家も来日して、コンサート10公演、レクチャー2公演、各国のカントリー・レポート、ACL総会などを予定しています。全ての準備は、この秋までに完了しなければなりませんので、会員各位の積極的なご協力とご参加を、お願いします。すでに会員の皆さまには、”Call for Score”の告知をしていますが、紛失、失念しているようでしたら、事務局までお問い合わせ下さい。そして、この音楽祭が開かれる頃には、コロナももっと終息し、気象状況も少しはマシになり、世界に平和が訪れ、新たな由々しき事象が起こらないことを願ってやみません。

 

今年が、少しでも良い年になりますように。