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コンサートを終えて                         岡本 由利子
 
 昨年入会し初参加の岡本です。突然私事ですが私は専業主婦として3人の子供を育て、40歳頃にどうしても曲を作りたくてご縁あって鈴木輝昭先生に師事しました。
 作品の発表は個人では自分で企画して動くしかありません。会場は区民施設等を借り、学校の同級生や子供を通じて知り合ったお母様方に案内を出し、当日まで奔走していました。
 ですから今、真っ先にお伝えしたいのは、この公演の中心でその屋台骨を支えて下さる先生、事務局、出版社、スタッフの方々への深い感謝です。作曲と演奏に集中すれば良い環境がどれだけ恵まれ有難い箏か・・・どうもありがとうございます!
 今回、作品の題材は自由との事で私は「こどもたちへ」と言うより、自分が子供を育てた経験から「こども」そのものの気持ちになりたいと思いました。原色のクレヨンで描く様に、あまりいじらず素のままに。「こうげんのさんぽみちで」は蛇との遭遇体験出すが、子供は今笑っていたのに大泣き、そんな急転直下の喜怒哀楽の激しさが重なっています。
 コロナ禍の中、複数の友人親戚が来場し感想を寄せてくれました。「久々心癒された。」「子供の演奏が素晴らしい!曲が短く飽きない。」「昔、練習曲で叱られ続けピアノが嫌いになったがこんな身近な遊び心のある曲から入りたかった(70代)」「作曲者が居ての演奏が素敵!」等々。
 そして自分にとって今回の紀尾井ホールでの体験は、子供っぽい発想かもしれませんが、さながら自分の想像する竜宮城に居る様でした。未知の世界に一歩踏み入れたという意味で、です。そこは色彩に満ち溢れ、美しい調べが流れておりました。友人の一人が「むしろこれはもっと大人に聴かせたいコンサート。」との言葉を寄せてくれましたが、頷けます。その中で私は好奇心の火をくすぶらせつつも、何処か自分は自分らしく泳がせて頂いても良いのかな?!との思いも。玉手箱は開けられ、自分を若返らせ次の一歩へ向かわせる煙がゆらり立ち昇った気がします。

                                  
               
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