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「アジア音楽祭2022 in Kawasaki」を振り返る            横田 直行
 
 JFCのなかでも国際交流事業に位置づけられたアジア音楽祭。今回も国際的で多彩な作品が多く取り上げられた。今年はミューザ川崎にて、「第11JFC作曲賞コンクール本選会」を含めた4日間の多彩な催しものであり、我々作曲家にとっても興味深く参加させていただいた。わたしの作品は3日目の室内楽で、演奏家の皆さんからお力添えをいただきながら演奏していただいた。以前2003年に書いたいささか難曲であった「オーボエ、ヴァイオリン、チェロのためのポリマライゼイション」という作品。これを更に演奏しやすいように改訂したものであった。
 長い間、発表する機会がなかった作品だけにようやくという想いであったが、それでもなかなか譜面が煩雑で、合わせるのが演奏者の方々にとってもひと苦労であったことと思う。しかし、複雑なリズム、ダイナミックスを駆使して見事な演奏を披露してくださった。当日は、ゆっくりと演奏家の皆さんとはお話ができなかったので、この場をお借りして心から感謝を申し上げる次第である。そして、いずれの作品も聴き手の心の奥底まで響きわたり、感動や共感が会場内に溢れたのではないかと思う。全体を通じて作曲家の皆さんの今後の活動の大きな励みとなったことは疑いの余地はない。
 JFC作曲賞も小栗舞花氏の受賞が決まった。努力してきた若い作曲家が評価されることにより、これから大きく成長されることを期待している。アジア音楽祭はJFC創立60周年、アジア作曲家連盟50
周年にふさわしく、4日間を通じて盛大に終えることができた。人的交流は今も感染症の影響によりままならなかったが、作曲界におけるアジアの国際交流の花はみごとに咲き誇った。素晴らしい個々の作品を通じて、国際交流の目的は果たされ、大きな成果があったと言えるであろう。

                                  
               
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