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アジア音楽祭2022 in Kawasaki 第11回JFC作曲賞コンクール本選会   山内 雅弘              

 
 11回目となるJFC作曲賞は異例ずくめのコンクールとなった。実行委員長としての私の役割は、審査員に川島素晴さんを指名したことでほとんど終わったといっても過言ではない。何しろ川島さんは、実に画期的なコンクールのコンセプトと詳細な応募規定を提示してくださったのだから。特筆すべきは作曲者がリハーサルの過程で応募作を加筆修正できるとしたこと。これまでのコンクールではありえないことだ。また、審査員である川島さんが演奏や指揮で関わることを認めるとしたこと、作曲者が演奏に参加することを可能としたことも画期的で、結果として応募作品23曲から本選に残った6曲中の2曲で作曲者が演奏に参加し、また全ての作品で川島さんが何らかの形で関わって頂くことになった。川島さんが他のコンクールでは残らないような曲ばかりが残ったとおっしゃっていたが、私もリハーサルから聴かせて頂き、たしかにユニークな作品ばかりでコンサートとしても大変面白いものになったのではと感じた。結果として作曲賞は小栗舞花さんに贈られたが、その受賞曲や他のノミネート作品について、ここで紹介するスペースは無いし、何より選考過程から川島さんご自身が個々の作品に詳細に言及している記事をご覧になれるので、是非ともそちらをご一読頂きたい。その文章から、当日ご来場頂けなかった方にもこのコンクールのユニークさを感じ取ることができるのではなかろうか。その一連の膨大な文章にしても、リハーサル全てに立ち会われる労力にしても、それを1人でこなされた川島さんのエネルギーには感服する他ない。最初、川島さんを審査員に指名する際、面倒な役割をおしつけることに大変申し訳ない思いでお願いしたのだが、結果的には予想を超えたものを提示して頂き、ご自身としてもこのような形のコンクールが開催できたことに満足しておられるのではと思っている。改めて審査員をお引き受け頂いた川島さんに心から感謝を申し上げたい。

                                  
               
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