小坂 咲子

東京藝術大学及び同大学院修士・博士課程修了。
アルヴァレズ、ジーノコンティッリ、ACL 入野記念賞、ISCMスウェーデン、ヴァレンティノブッキ、キャロルリピンスキ等入選。アジア音楽祭in東京2003初演《華蝶乱》~篳篥とオーケストラのための~はブランデンブルク交響楽団により2016年ドイツで再演、《zhī jī》~室内オーケストラのための~2022年 イギリス初演予定、ハーモニカ協奏曲《The paulownia flowers2022年香港初演予定。
アンサンブル東風メンバー。

《香炉》~チェロ独奏のための~

小さな壺から、果つるともなくたゆたう仄白い煙…その流線形を眺めれば、時の経つのはなんと長いことか。「幹音」と「躁音」の「はざま」にあるもの…一つの線を宙に描き出す香炉の煙は、夢誘いながら時の経つのを遅らせる。しかしながらそのような表現は「脆弱」だと思われてはいなかっただろうか?視覚的体験の最大限の強調、それは葛飾北斎から影響に基づいている。時とは何か、時の過ぎるとは何か…この作品はそのような大きな問題への試みである。