赤石 敏夫

作曲家・音楽教育家。音楽愛好家のために分かりやすい音楽を書くことが信条。著書「ソルフェージュ入門」(KMP刊)、「独習聴音問題集(上・下CD-R付)」、「視唱ステップアップ(共著)」(全音刊)他。日本現代音楽協会、日本作曲家協議会、全日本ピアノ指導者協会、日本ソルフェージュ研究協議会各会員。相愛大学音楽学部名誉教授並びに非常勤講師。赤石音楽研究室代表。

ヴィオラ・ソロのための音楽「蔦」

風に小刻みに震えているそれを見たとき、ヴィオラ・ソロの作品を書きたいと思わせた。文字にするとその動機は薄っぺらになり誤解されそうだが…。この曲は描写ではない。観念(idea)だ。生を持ちつつその場を動かずじっと佇んでいる様…。魅力的な多くの植物の中で「蔦」は私にとって一段と可憐でしかも力強く、群れを成しているにもかかわらず一葉でも存在感がある。繰り返すが葉っぱの描写ではない。